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2015年2月2日
先週の金曜日、息子の部屋をそうじしていたら
机の上にこの本が置かれていた。 後藤健二さんの本。 土曜日、彼女が帰ったあとに 「ケンジ・ゴトウの本が置いてあったね」と言ったら 「ほんとう?!」とおどろく息子。 インターン先でもらったものの、 相手も自分も日本語が読めないので まさか後藤さんの本だとは知らなかったのだ。 日曜の朝には悲しいニュースを聞いた。 思い返してみると、 金曜のそうじのとき、この本を見つけた直後に ぎっくり腰になったのだった。 それは単なる偶然に過ぎないけれど、 なんとなく、後藤さんの無念さや苦しみを 自分の腰で感じたような気がしている。 いまもとても悲しい。 本を一気に読んでみた。 子ども向けにわかりやすく書かれた文章は とても真摯であたたかく、好感がもてた。 シエラレオネの元子ども兵士の施設に泊まり みんなと同じごはんを食べたときのこと。 「わたしも同じものをいっしょに食べました。 自家製のパンはふんわり、ニンジンやジャガイモなどの野菜が たくさん入ったシチューは温かくておいしくて、 (おかわりしたいなあ)と思ってしまうほどでした。」 元子ども兵士ムリアくんの通う学校に見学に行ったときのこと。 「低学年の子どもたちもとてもきちんとならんで教室に入って行ったので、 わたしは感心してながめていました。」 「たいそう自慢げに話しているのをみて、こちらもおかしいやら恥ずかしやら。 後から知ったのですが、彼は『おれには日本人の友だちがいるんだ、 すごいだろ』って自慢していたそうです。」 多くの人を殺したり、手足を切り落としたりしたムリアくんと 当時のことを話し合う言葉づかいがとてもやさしい。 両親を殺され、誘拐されて子ども兵士になったムリアくんを想いやり、 考えないようにしている、という彼に 「わざと考えないようにしているんだ。でも考えちゃうよね。 そんな時はどうしているんだい?」 将来は大統領になり、戦争のない国にしたいという意志で 人一倍、勉強をがんばっているムリアくんに 自分のボールペンをあげた後藤さん。 ムリアくんはいまもボールペンを大切に、 がんばって勉強しているかな? 世界をよくしたいという強い気持ちはわかるけれど、 まずは自分の奥さんと娘さんたちにプライオリティーを置いてほしかった。 死んでしまってはもうこんなすごい話もわたしたちに伝えることはできない。 オランダの戦争ジャーナリストが後藤さんのことを すごい人だと話していた。 解放直前と思われていたときには すぐに読めるように、とおめでとうのメールを送っていたそう。 この本がどういういきさつで息子のインターン先にあったのか わからないけれど、 わたしにとっては大きな意味をもつこととなった。 わたしはわたしなりの方法で 少しでも世界がよくなるように、ということを頭において 自分にできる小さなことをこれからもつづけていかなければ。 腰が少しずつよくなるのを感じながら、そう思っている。 後藤さんの声が聞こえてきそうな本を読み、 後藤さんの気持ちにそっと寄り添いつつ。 心からご冥福をお祈りいたします。
by orandanikki
| 2015-02-03 06:09
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