オランダ暮らし30年目、やっぱり翻訳つづけてます!
by orandanikki
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
以前の記事
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
お気に入りブログ
メモ帳
リンクフリーです。
記事・画像の無断転載はお断りします。

メールはお気軽に
sakiamsterdam@gmail.comまで。
ハリネズミの感想もうれしいです!

以前のオランダ日記はこちら。
ライフログ
最新の記事
2017年6月22日
at 2017-06-22 16:35
FLANDERS LITER..
at 2017-06-18 19:03
2017年6月16日
at 2017-06-16 22:09
2017年6月1日
at 2017-06-01 15:49
2017年5月30日
at 2017-05-31 04:31
外部リンク


2015年2月2日

先週の金曜日、息子の部屋をそうじしていたら

机の上にこの本が置かれていた。

f0275876_538342.jpg


後藤健二さんの本。


土曜日、彼女が帰ったあとに

「ケンジ・ゴトウの本が置いてあったね」と言ったら

「ほんとう?!」とおどろく息子。


インターン先でもらったものの、

相手も自分も日本語が読めないので

まさか後藤さんの本だとは知らなかったのだ。


日曜の朝には悲しいニュースを聞いた。

思い返してみると、

金曜のそうじのとき、この本を見つけた直後に

ぎっくり腰になったのだった。

それは単なる偶然に過ぎないけれど、

なんとなく、後藤さんの無念さや苦しみを

自分の腰で感じたような気がしている。

いまもとても悲しい。


本を一気に読んでみた。

子ども向けにわかりやすく書かれた文章は

とても真摯であたたかく、好感がもてた。


シエラレオネの元子ども兵士の施設に泊まり

みんなと同じごはんを食べたときのこと。

「わたしも同じものをいっしょに食べました。

自家製のパンはふんわり、ニンジンやジャガイモなどの野菜が

たくさん入ったシチューは温かくておいしくて、

(おかわりしたいなあ)と思ってしまうほどでした。」


元子ども兵士ムリアくんの通う学校に見学に行ったときのこと。

「低学年の子どもたちもとてもきちんとならんで教室に入って行ったので、

わたしは感心してながめていました。」

「たいそう自慢げに話しているのをみて、こちらもおかしいやら恥ずかしやら。

後から知ったのですが、彼は『おれには日本人の友だちがいるんだ、

すごいだろ』って自慢していたそうです。」


多くの人を殺したり、手足を切り落としたりしたムリアくんと

当時のことを話し合う言葉づかいがとてもやさしい。

両親を殺され、誘拐されて子ども兵士になったムリアくんを想いやり、

考えないようにしている、という彼に

「わざと考えないようにしているんだ。でも考えちゃうよね。

そんな時はどうしているんだい?」


将来は大統領になり、戦争のない国にしたいという意志で

人一倍、勉強をがんばっているムリアくんに

自分のボールペンをあげた後藤さん。

ムリアくんはいまもボールペンを大切に、

がんばって勉強しているかな?


世界をよくしたいという強い気持ちはわかるけれど、

まずは自分の奥さんと娘さんたちにプライオリティーを置いてほしかった。

死んでしまってはもうこんなすごい話もわたしたちに伝えることはできない。


オランダの戦争ジャーナリストが後藤さんのことを

すごい人だと話していた。

解放直前と思われていたときには

すぐに読めるように、とおめでとうのメールを送っていたそう。


この本がどういういきさつで息子のインターン先にあったのか

わからないけれど、

わたしにとっては大きな意味をもつこととなった。


わたしはわたしなりの方法で

少しでも世界がよくなるように、ということを頭において

自分にできる小さなことをこれからもつづけていかなければ。

腰が少しずつよくなるのを感じながら、そう思っている。


後藤さんの声が聞こえてきそうな本を読み、

後藤さんの気持ちにそっと寄り添いつつ。

心からご冥福をお祈りいたします。
[PR]
by orandanikki | 2015-02-03 06:09
<< Coffee Companyより カモメ >>